(11) 脂肪酸について

オメガ3を含む食材を食べる!


脂肪の主成分である脂肪酸は大きく二つに分類されます。ひとつがLDL(悪玉)コレステロールを上げる「飽和脂肪酸」、もう一つがLDL(悪玉)コレステロールをさげる「不飽和脂肪酸」です。  
 さらに、不飽和脂肪酸は、化学構造の違いから「オメガ3系」「オメガ6系」「オメガ9系」の3つに分類することができます。

 このうち、オメガ3系(α-リノレン酸など)の油は、「必須脂肪酸」と呼ばれ、体内では作ることができないため食事などで摂取する必要があります。

 人体へは、中性脂肪酸を下げる、LDL(悪玉)コレステロールを下げる、血液をサラサラにする、脳を活性化させる、骨の健康維持などさまざまな効果があり、そのため質異常症や動脈硬化、心筋梗塞などの生活習慣病の予防にも有効といえます。アマニ油やエゴマ油、クルミに含まれるα-リノレン酸や青背魚のEPAやDHAも、オメガ3系の不飽和脂肪酸です。

 そして同じく必須アミノ酸であるオメガ6(リノール酸など)は、コーン油やゴマ油、ひまわり油などに含まれ、かつてはコレステロールを下げる油として注目されました。

 しかし、現在では、過剰摂取によりアレルギーやガンを誘発するリスクが指摘されているため、不飽和脂肪酸だからといって過剰な接種は避けるようになりました。また、オメガ6では、酸化しやすいので、時間がたって古くなったサラダ油などは捨てるようにしましょう。
 オメガ9系(オレイン酸など)は「一価不飽和脂肪酸」といい、食べ物から摂取できるほか、体内でも合成されます。オメガ9系の主な油は、オリーブオイルやキャノーラ油などです。

 なお、人工物であるトランス脂肪酸は、加工食品などに多く含まれ、人体に様々な悪影響を及ぼします 。海外では禁止や規制をしている国もあるほどなので、できるだけ接種は控えるようにしましょう。


摂りすぎに注意したい脂肪酸

LDL(悪玉)コレステロールを増やす原因となる飽和脂肪酸を多く含んだ油
 ・バター、ラード、パーム油、ヤシ油、カカオ油、肉の脂身など

からだに良いとされる脂肪酸

LDL(悪玉)コレステロールを減らす働きのある一価不飽和脂肪酸を多く含む油
オリーブ油、キャノーラ油


多価不飽和脂肪酸のうち「n-6系リノール酸」を多く含む油:
コーン油、ごま油
※ただし、摂り過ぎるとHDL(善玉)コレステロールも減らす


LDL(悪玉)コレステロールを減らす働きのある多価不飽和脂肪酸のうち「α-リノレン酸」を多く含む油:
えごま油、しそ油


中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールを減らす働きのある多価不飽和脂肪酸のうち「EPA、DHA」を多く含む油
さば、さんま、いわしなどの青身魚の油