中性脂肪が引き起こす三大生活習慣病

中性脂肪の増加やそれを放置した結果、それらが原因として三大生活習慣病と呼ばれる三種類の病気「脂質異常症」や「糖尿病」、「高血圧」を引き起こします。さらに、「動脈硬化」、「脳梗塞」、「心筋梗塞」といった血管の病気も引き起こしかねません。

脂質異常症
脂質異常症は、中性脂肪とコレステロール値の異常(血液中の中性脂肪やコレステロールが多すぎるまたは少なすぎる)からくる動脈硬化への大きな危険因子です。脂質異常症には、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)の血中濃度の異常にあります。
 従来は「高脂血症」とよばれていましたが、2007年4月に日本動脈硬化学会がガイドラインの改訂を行い、診断名を「高脂血症」から「脂質異常症」に変更されました。

脂質異常症の基準値

  検査項目 基準値
脂質代謝 総コレステロール 150~220 mg/㎗
  LDLコレステロール 70~139 mg/㎗
  HDLコレステロール 男性:40~80 mg/㎗
女性:40~90 mg/㎗
  TG(中性脂肪) 50~149 mg/㎗以上

糖尿病
血液中の糖が増えすぎた状態をいい、この数値がある一定値をこえた場合「糖尿病」と診断されます。主な要因は中性脂肪の増加にあります。さらに、糖尿病が悪化すると血液中の糖を管理するインスリンが不足してしまい、糖代謝ができず高血糖の状態になります。これを放っておくと血管が損傷し動脈硬化が進行します。糖尿病は、神経障害網膜症腎症を引き起こし、さらにはアルツハイマー型認知症の要因にもなりえます

糖尿病の基準値

  検査項目 基準値
糖体質系 血糖値(FPG) 70~109 mg/㎗(空腹時)
  HbA1c(NGSP) 5.9 mg/㎗以下

高血圧
高血圧は、血液が血管内壁を押す力が強い状態が続くことをいいます。高血圧を放置すると、血液を送り出す心臓への負担が大きくなり、さらに血管も高い圧力に耐えれなくなり破裂する危険性が高まり、脳出血脳梗塞狭心症の要因にもなりえます。

高血圧の基準値

  検査項目 基準値
血圧 収縮期(最高) 130 mmHg以下
  拡張期(最低) 84 mmHg以下

高血圧は、Ⅰ度高血圧Ⅱ度高血圧Ⅲ度高血圧に分類されます。それぞれの基準値を下表の通りです。

  最高血圧 最低血圧
Ⅰ度高血圧(軽症) 140 ~ 159 mmHg 90 ~ 99 mmHg
Ⅱ度高血圧(中等症) 160 ~ 179 mmHg 100 ~ 109 mmHg
Ⅲ度高血圧(重症) 180 mmHg以上 110 mmHg以上