(6) 意外と知らない「食後高中性脂肪血症」

知らないうちに進行している!
検診で見逃される
食後高中性脂肪血症のリスク

人間ドックや検診で中性脂肪の値が基準値内でも安心してはいけません。
中性脂肪の残りカス(レムナント)が動脈硬化の原因となるのです。

検診では気付かれにくい食後高中性脂肪血症

 コレステロールや中性中性脂肪の値が基準値範囲内でも問題がないわけではありません。
それは、検診では、「食後高中性脂肪血症」が見逃されがちだからです。

 中止絵脂肪値は食事の影響で変動しやすく、特に食後は上り幅が大きくなります。
食後の中性脂肪値が200mg/㎗以上の人は、「食後高中性脂肪血症」の可能性が高く、数値が低い人に比べて心筋梗塞や狭心症などの重篤な病気にかかるリスクが訳3倍もあります。
そのため、食後の中性脂肪値も知っておく必要があるのですが、検診は食事を10時間異常抜いた状態で採血されることが多いので、異常が見逃されてしまいがちなのです。

 食後高中性脂肪血症を放っておくと動脈硬化がますます進み、心筋梗塞や狭心症などのリスクがさらに上がります。
そのため、動脈硬化の有無を調べる「頸動脈エコー検査」などの精密検査を検診とは別に受ける必要があります。

 また食後高中性脂肪血症は、遺伝的な体質が要因となることもあるため、動脈硬化が原因による脳梗塞や心筋梗塞を発症した家族がいる人は、特に注意が必要です。
「自分にもそういった症状がでる可能性がある」と考え、普段の生活習慣に問題がないか見直す必要があります。

 動脈硬化を予防したい人は、「レムナント(RLP)」にも注意が必要です。この「レムナント」は「残り物」という意味で、血液中の中性脂肪が多すぎた際に生じます。中性脂肪のカスのようなものです。
レムナントは血液壁に入り込み、動脈硬化を引き起こすリスクを高めます。

 検診などで中性脂肪の値が基準値内でも、レムナントが高ければ食後高中性脂肪血症になっている可能性があります。動脈は体の隅々まで栄養素や酵素を運ぶ重要な役割を果たしているため、暴飲暴食や不規則な生活で傷めつけず、常に血液がサラサラと流れる状態にしておく必要があります。