(4) 本当に恐い動脈硬化

「酸化LDLコレステロール」が動脈硬化を引き起こす

動脈硬化は血液中のLDL(悪玉)コレステロールが多くなることで起こります。
そのリスクをさらに上昇させるのが、酸化によって劣化したコレステロールなのです。

酸化LDLコレステロールとは?

 


動脈硬化になるリスクは「酸化」によって上昇する。

動脈硬化とは、動脈が硬く狭くなり、全身を循環する血液の流れが滞ってしまう状態といいます。
症状が進行すると、脳梗塞や心筋梗塞などの命にかかわる病気につながり、とても危険です。

 血液中のLDL(悪玉)コレステロールの値が高いと、動脈硬化になるリスクは上昇しますが、その真の悪玉が「酸化LDLコレステロール」と言われています。酸化LDLコレステロールとは、LDL(悪玉)コレステロールが酸化した状態のこと。毛管壁に入ったLDL(悪玉)コレステロールが活性酸素によって酸化すると、動脈硬化を引き起こす要因となります。

 体内では、この酸化LDLコレステロールを異物とみなし、白血球の一種であるマイクロファージがやつけて食べてくれます。これは、外敵から体を守る免疫反応です。
 しかし、マイクロファージが酸化LDLコレステロールを食べ続けると、油の詰まった泡沫細胞となり、動けなくなって血管内に蓄積して、血管にコブ(プラーク)ができてしまいます。このコブが大きくなればなるほど、血管内部は狭くなってしまい、その結果、さらさらと流れていた血液のながれはやがて滞ってしまいます。

動脈硬化が進メカニズム


 注意すべきは、血液中のLDL(悪玉)コレステロール値が低くても酸化LDLコレステロールの値が高い人もいるということです。特に、喫煙者や糖尿病患者の人にその傾向があります。
たばこに含まれる有害物質は酸化ストレスを増やしてLDL(悪玉)コレステロールを酸化させます。糖尿病で血糖値が高くなると、LDL(悪玉)コレステロールに糖が付き、酸化されやすくなるのです。

 コレステロールは体に必要不可欠なものですが、間違えれば声明を奪う「サイレント・キラー」にもなりえます。普段からLDL(悪玉)コレステロールを低く保つことを心掛け、たばこをやめたり抗酸化食品を取ったりするなど、酸化コレステロールを増やさない工夫が必要となってきます。

動脈硬化の危険因子

 ・肥満
 ・脂質異常症
 ・高血圧
 ・高血糖
 ・喫煙
 ・ストレス